バーニャカウダ、バーニャカウダ、バーニャカウダ。じゅもんのように繰り返す。

しぶやにあったバーニャカウダが美味しいお店は、気持ちが散漫なまま細い路地をうねうねと歩き続けた末にある雑居ビルの7Fあたりにある。お店の名前すら覚えていないのでもう二度と辿り着くことはない。後日、別のお店で食べたバーニャカウダは、油っぽいばかりであまり美味しくなかった。

右手の人差し指の爪が割れた、と思ったら、左手人差し指の爪も割れていた。今私は、両手の人差し指が使えない。

爪切りが見つからなかった。かわりに鋏があったので、鋏で爪を切ってみたら、意外とするりと切れた。なんだ、いけるじゃん。と、また少し無駄にたくましくなる私。

会社の新年会で行われたビンゴゲームでは、たぶん半数以上の人が景品を貰っている中、最後の最後までリーチすら無い状態で終了した。中途半端に満遍なく穴の開いた私のビンゴカードは、「とりあえずありとあらゆるところに手をつけるけれど、これという決定打に至るものがない」という私のじんせいを表しているようで、なんかちょっとしょっぱい感じ。

あの男の子の肌はビロードのように滑らかだった。でももう、逢うことはない。もう少しちゃんと目を見て話をしてみても、良かったのかもしれない。

一番仲の良かった同期の子が会社を辞める。私に泣く権利は、多分6%くらいはあると思う。多分。なんとなく。だから私は、あの子の最後の日は、ひっそりと一人で家に帰ってきて換気扇の下で煙/草吸いながら泣くという予定で埋まっている。残念ながら、あの子の前で泣く資格も権利も、持ち合わせてないなぁ。引っ張りあげてあげたかったよ。ごめんね。