愛だけ持って逢いに来て

何だか全部が中途半端だな。足元がぐらぐらして気持ち悪いんだよ。そこから逃げることも出来ないでいる私と、そもそも逃げる予定も無い私と、一年後にはそこにいないはずだと問題を先送りにしている私。守るべきものは何一つ無いのです。こんな日常を愛おしいと思いたくは無いのです。全部捨てたいのに理由つけて出来ない/やらないでいるのが馬鹿みたいだ。
とりあえずは季節のせいにしてみている。曇りも、じとじとと降る雨も大嫌い。遠くて誰の力も視線も及ばないところに行きたい。そこは気持ちの良い青空とあたたかい海水がある場所で、時折すべてを押し流すような激しい雨が降る筈なんだ。
隣の席でいい年した男二人が、音楽とは何かを語り合っている。(正確には、一人が延々と話し続けもう一方が相槌を打っている。)ちょっと綺麗で若い女の子たちが歌う音楽には魂が無いだとかなんとか、音楽とはそもそも神聖で崇高なものだとか、音楽と映像の重要性とか、そんな反吐が出る話を何度も繰り返す。こうゆう大人にはなりたくねぇなぁと私は思うがしかし、私だって似たようなものだと思い直す。なにもかも中途半端でここに居続ける私と彼らに何の差があるものか。
全てを吹き飛ばすパワーを持ったスーパーマンを待つ、私とあなた。スーパーマンは現れない。私はここから動かない。